【バギオ留学】2024年1月のバギオ市内水質汚染について

ここ数日、バギオ全域で騒がれているニュースがあります。何かというと『水質汚染』で、蛇口から出る水道水の取り扱いに気を付けるよう、連日情報がアップデートされ続けています。です。多くの人が下痢や胃腸炎などの症状に悩まされているとのことです。ここ数日の事件の様子を簡単に紹介します。

(※追記)2024年1月末日の時点で問題は解消となりました。

突然の速報

事件が起こったのは1月の年明けすぐ。バギオの1,2月は1年を通して最も気温の低いシーズンと言われており、最低気温は約10℃、最高気温は20度ほどです。昼はTシャツ1枚でもなんとかなりますが、朝夕は羽織るものが無いとかなり寒いと感じるような季節となっています。

そういった状況なので、蚊によって媒介されるデング熱などの伝染病や高温下による食中毒は起こりにくい状況ではありました。ただ、日本と同様に寒くなってくるとインフルエンザの流行が予測されるので、政府からマスクの着用が推奨されています。

雨も少なく比較的過ごしやすい季節に、突然現れた不測の事態に誰もが驚きを隠せませんでした。下記、私が最初に見かけた、事態の状況を知らせるフェイスブック上の投稿になります。

【速報】バギオ市長は、記者会見でバギオ市における急性胃腸炎の流行を公式に宣言した

という見出しで、発表された時点で1602件の事案が発生しており、原因は水質汚染としています。飲食店には水道水や濾過水の提供を控え、精製水のみを客に提供するよう、一般家庭には精製水または沸騰させた水道水を使用し、外食時には各自で水を持参するよう勧告されています。

詳細な被害レポート

さらに2日後、さらに詳細な被害状況が発表されました。この時点での体調不良者の自己申告数は3010人に上っています。最も多い症状が「下痢」、次いで「腹痛」、「嘔吐」となっています。さらに病気にかかった原因として最も多く考えられるのは「飲食店での食事」、次いで「テイクアウト」、「家での料理」となっています。

いずれにせよ経口摂取によるところが原因となっているケースが多いようです。ただ、今のところ(1月13日現在)の情報では死者は出ておらず、生活に大きな変化があったという訳ではありません。政府は水道水のそのまま利用を控える案内を出すとともに、原因の調査を引き続き行っています。

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原因と対策は?

最新の情報では、「胃腸炎の流行」という当初の宣言が取り下げられ、「下痢症状の広域的な広がり」という表現に改められました。今現状分かっている範囲では、水道水などの生活用水にバクテリアが基準値以上発生していることが主な要因となっているようです。

Fecal contamination of Baguio water sample detected; diarrhea cases reach 2,200

https://news.abs-cbn.com/news/01/11/24/fecal-contamination-of-baguio-water-sample-detected-2200-diarrhea-cases-logged

1つの調査地点では、水源の糞便汚染が認められ、そこからバクテリアの発生が確認されたとのことです。ただ症状としては深刻なものでなく、薬の投与で解消できる程度のものであるとされており、また、対策としては以下の画像のような基本的なことが挙げられています。

  • 食前と用を足した後は石鹸を使ってしっかり手を洗うこと
  • 精製された煮沸済みの水道水かミネラルウォーターを常飲すること
  • 水をろ過するフィルターを交換すること

さらに、一連の騒動を受け、政府から「ボトルウォーターの不当な価格つり上げ」をけん制する案内も発表されています。なるほど、そういうことも起こり得るのかと感心しました。幸い、街中を見ても、そういった価格操作は見られず、市民が水を買いに走っているという状況も今のところ無いようです。

差し当たってのリスクは最低限の対策で回避できるようで、安全性は確保されています。

日本人留学生の私的見解

ここまでは公的に発表されている内容を中心に紹介してきましたが、ここからはバギオに5か月近く滞在中の留学生としての個人的な意見となります。まず、先の情報にあるように、特別何か対策を講じる必要は無いかなという感じです。もともとフィリピンでは水道水は飲まない様にキツく釘を刺されています

「水道水をそのまま飲める日本は凄い!」という古くからの通説があるように、海外での水道水の常飲は一般的ではありません。各宿泊施設には備え付けのペットボトル水や、ミネラルウォーターを汲める設備があります、フィリピンでももちろんそうです。日本と比べて価格も安いですので気軽に購入できます。

厳密には、歯磨きやうがいなどのちょっとした水周りの利用でも水道水の利用は避けた方が良いかもしれません。私は気にせず水道水を使っていましたが、これを機に考えを改めようと思います。いちごやぶどうなどの皮ごと食べる果物を洗うのも同様に精製水の方がいいでしょう。

外での食事に関しては、火の通してあるものは大丈夫でしょう。スープや煮物系はしっかり火を通していると思いますが、Lugawというフィリピン版のおかゆのような料理は、あまり高温で調理するイメージが無いので避けた方が良いかもしれません、あくまで私のイメージですが…。

避けた方がよいのはデザートやドリンクなどの火を通すことが難しいものですね。政府からのアドバイスに、外食するときは極力精製水を持っていくようにとあるよう、氷が入ったドリンク等は避けるべきでしょう。ハロハロやミルクティーなど美味しいデザートはたくさんありますが、少しの間控えた方が良いかもしれません。

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まとめ

今回は緊急で入ってきたバギオ市内の水質汚染についてのニュースについてお伝えしました。海外に住むということはこういうことにも気を配らないといけません。ただ、誤解のないようにしたいのですが、このようなことが起こるのは稀で、先生たちも初めての経験と言っていました。

ちなみに私の学校周りでは、先生/生徒含めて被害を受けたという情報は今のところ入ってきていません。十分に備えておけば簡単に防げるレベルの事項です。また、政府関係各所の対応も思ったよりも早く、いい意味でフィリピンらしさを感じない迅速な対応です。ただ、この混乱に乗じたフェイクニュースも出ているようなので、情報を正確にキャッチする必要があります。

そもそも海外の水道水のリスクはある程度知れ渡っているものかと思いますが、何故気を付けないといけないのかというのが今回の件で立証されましたね。結果的に、大事にはならなそうですが、日本では報道される可能性の全くない情報なので、この場にて紹介しました。

日本と海外の違いをしっかりと認識して、健康に日々が送れるようにしていきましょう!