初めてバギオに来たのが2023年8月。6か月間の留学生活、6か月間の語学学校スタッフを経て、ついに滞在1年目を迎えました。
身をもってバギオの1年を経験し、ようやく年間の気温や気候について紹介する機会を得ました…!ということで、バギオの気温・天気・気候、そして私的ベストシーズンについて紹介したいと思います!
バギオの基本情報
まず、一般的に知られているバギオの気温と気候についておさらいをします。気象庁が提供している、世界の各地域の「平均気温平年値」と「降水量平年値」において、バギオと東京を比較してみましょう。
気象庁 世界の天候データツール(ClimatView 月統計値)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/monitor/climatview/frame.php
左右のラベル軸のスケールが異なるので、単純比較はしにくいのですが、グラフの形だけ見ると下記の事が言えます。
さらに詳しく見るために、先ほどのグラフを数値化して表で並べたものがコチラになります。
特筆すべきはバギオの年間通しての平均気温の変わりなさですね。日本の5月、10月にあたる気持ちのよい気温が続いています。
一方降水量について、雨が降る月は凄まじい数値を叩き出していることが分かります。降水量のピークとなる8月は日本の6倍近い雨量となっており、これぞ熱帯の国といった降りっぷりです。
一般的に知られているバギオの気温や気候については以上の通りで、実際に滞在してみて感じた「雨が良く降るなぁ」「めっちゃ晴れてるなぁ」と言った、経験則と概ね一致しています。
ではここからは、月別私的滞在オススメ度を発表します!私が留学や滞在に「最高にオススメ」と感じる月を“★5”、「可能なら避けた方が良いかもしれない」月を“★1”としています。
私的滞在オススメ度
では早速行きましょう!月別の私的滞在オススメ度は下記のようになります!
まず前提として、私(はふた)という人間はバギオが好きで、自分の留学期間が終わっても滞在し続けている人間であり、かなり贔屓めになってしまうということは予めご了承ください。
こうして改めて評価をしてみると、学生として滞在していた8月から2月は比較的良い時期だったんだなと、しみじみ感じます。
評価の根底にあるのは、基本的に雨期か乾季かの違いが大きく、滞在するなら11月頃から始まる乾季のシーズンをダントツでオススメします。天気によって観光やアクティビティを邪魔される心配がありません。
一方、6月~10月辺りの雨期について、相対的に評価は低くなってしまいますが、日本と比べて涼しいのは間違いなく、真夏のシーズンに避暑地とバギオを選ぶのもありだと思います。
ではここからは、それぞれの月ごとに評価のポイントを紹介していきます。
1月【オススメ度★5】乾季で雨が降らない月
乾季真っ只中の1月は留学や滞在に非常にオススメな時期となります。雨は基本的には降らず、私が滞在した2024年の1月、雨の日は1日もありませんでした。
また、気温については半袖では寒いくらいとなります。朝晩の気温は12~13℃ほどになり、現地のフィリピンの先生たちは、屋内でもジャケットを着こんだりしているのをよく見ました。
そういった気温のため、この時期はニットの洋服を用意しても良いですね。そこまで湿度が高くないので、服が傷んだり・カビが生えたりする可能性も低くなります。
また、天気とは別で留学のこぼれ話ですが、この時期、韓国では長期休暇のシーズンとなり、親子連れの留学を数多く見ます。一方、日本人はそんなに多くないので、多国籍な環境を希望する方にもオススメとなります。
2月【オススメ度★5】最も寒い月
バギオにおける2月は1年で最も寒い月となります。さすがに雪が降るまではいかないものの、最低気温が10℃を下回る日も稀に出始め、シャワーを浴びる時、「さむっさむっ」となることがあります。
とは言っても、ヒートテックのような防寒着を用意する必要はありません。昼間はパーカー、夜は薄めのジャケットがあると良いでしょう。
また、2月はアクティビティのベストシーズンを迎えます。Mt.Pluagというフィリピンで3番目に高い山もベストシーズンを迎え、気候が安定しているので、山頂からの朝日が見やすい時期になります。
ただ、ハイキングへ行った際やビーチを訪れた際、夕方まで過ごすと肌寒く感じることも増えてきますので、十分な準備が必要です。
3月【オススメ度★5】バギオ最大のお祭りがある月
気温は1、2月と変わらず半袖だけだと肌寒く感じる気温の3月です。ただ、この辺りからごくまれに雨の日が出てきます。しかし、それも1日の数時間の程度で長くは降り続きません。
2024年3月、私は語学学校のスタッフとして登用され、その中の仕事の一つに夜の見回りがありました。夜10時頃は結構冷えるのでライトダウンジャケットを着ていた時もありましたね。
また、2月中旬~3月上旬にかけて、バギオ最大のお祭り「Panagbenga Festival(パナグベンガフェスティバル)」というフラワーフェスティバルが開かれます。
一番の目玉は神輿のような車のパレードです。街はお祭りのためにデコレーションされ、バーナムパークには出店が並ぶなど、街全体がお祭りモードになって、かなり楽しい月となります。
4月【オススメ度★4】夏の雰囲気が顔を出してくる月
ここまで、涼しくてかなり過ごしやすい気候が続いてきましたが、4月になると少しずつ気温が上がってきます。日中はTシャツで丁度よいくらいで、激しく動いていると汗ばんでくることがあります。
それでも、朝晩や寝る時は変わらず冷え込んでくるので、服装選びは慎重にならなければなりません。日中との気温差で体調を崩さない様に注意が必要です。
フィリピンのような熱帯地域の気候は、一般的に雨季と乾季に分けられるのですが、現地ではこの4月頃から5月頃までをサマーシーズン(夏)と呼んでいます。
雨も3、4日の頻度で降るようになり、お出かけするには雨具の準備が必要になってきます。また、湿度もだんだん高くなってくるので、身の回りの品のケア方法も検討しなければなりません。
5月【オススメ度★1】ガムガモの脅威がある月
4月の後半くらいからフィリピンでは一気に季節が進み、夏本番を迎えます。とにかく暑い。つい3か月前まで一番寒い時期があったのが信じられないくらい気温が上がってきます。
特にマニラやクラークなどの人口が密集しているエリアでは、日中の気温が45℃を超えてくるなどして、学校が休校となっているのをよくニュースで見ました。
一方、バギオはというと、最高気温30度くらいまでで収まります。なので、日本の夏よりも断然過ごしやすいです。ただ、問題は湿度が高くなってきて夜もそこそこ暑くなります。
日本だと寝苦しかったらエアコンをつけるなど対策出来るのですが、バギオの住居はエアコンを搭載していません。扇風機などで対応する必要があり、快適な環境づくりが難しくなります。
さて、5月が”★1”だった理由の核心について、それは暑さだけではなく「ガムガモ」の脅威が存在するためです。ガムガモとは、羽アリのことで夏の終わりころに集団で現れる衛生害虫です。
夜間、光に向かって進む性質があり、部屋の明かりが漏れていたら外から侵入してくることがあります。厄介なことに、暑くて窓を開けたい時期、そこを突いたように現れるのです。
ガモガモの発生はバギオだけでなく、フィリピン全土で起こるいわば自然現象となります。どうしても気持ちのいいものではありませんので、出来ればこの時期は避けたいですね。
光が外に漏れないようにするなど、対策していればなんてことないのですが、この時期留学される方は覚悟をしておいた方が良いかもしれません…。以上の理由から、5月は私的評価”★1”となります。
6月【オススメ度★3】雨季が始まる月
先ほど5月の評価に大きく貢献したガムガモについて、出始めてから2週間ほどで収まると言われています。なので、5月の中頃から始まった場合、6月の上旬まで警戒が必要です。
幸いにも、ガムガモの発生は雨期が始まる合図で、夏が終わり涼しくなっていくという兆候でもあります。バッと現れてサッと消えるので苦しめられる期間はそれほど長くありません。
さて、暑さのピークは過ぎたものの、環境次第で夜間の寝苦しさは続きます。風通しの良い部屋なら良いのですが、閉塞的だったり共同生活の部屋だったりすると、暑くて寝苦しいかもしれません。
そして、雨季の始まりということで2日に1回は雨が降ります。朝晩は比較的晴れて太陽を拝むことが出来るのですが、日中の数時間にザーッと降って夜には止むといったことが多いです。
7月【オススメ度★3】雨季真っ盛りの月
降水量のグラフが跳ね上がっているように、7月頃から雨がよく降るようになります。その降りっぷりと言えば、日本で月に1回あるかないかの土砂降りの雨が毎日のように続く感じです。
幸いにも、まだ午前中は天気が持ちこたえていることが多く、午後2時~5時の間によく降ります。傘をさして歩いていても、びしょ濡れになることがあるくらいに激しいです。
気温について、夏は過ぎたので上着が必要になるくらいになります。ただ、湿度は引きつづき高いので、カビが生えない様な対策や荷物選びはマストとなるでしょう。
あと、気温や天気に関係ないですが、7月は台湾人の留学生のピークとなります。日本人比率がグッと減るので、多国籍な環境を希望するならこの時期もオススメです。
8月【オススメ度★3】降水量がピークの月
8月、フィリピンは雨期のピークを迎えます。今までは数時間の雨だけだったのが、1日中降り続く日も出てきます。日本の8月の6倍は降るという数値が出ているのも納得です。
そして、なんと言っても台風のシーズンとなります。日本でも夏の時期に台風が多いように、ここフィリピンでも多大な影響を受けます。
以前、別の記事に書いたのですが、特にバギオ地域では台風の影響が長期化しやすい土地となっています。直撃せず、台湾付近で停滞している台風であっても、長く雨をもたらすことがあります。
また留学事情として、この時期は韓国、台湾、中国の親子・家族留学の数が増えます。子どもたちがいる環境は活気があっていいのですが、少し雰囲気としては賑やかな感じになることが多いです。
9月【オススメ度★3】台風に警戒が必要な月
さて、9月に入っても引き続き台風への警戒が必要です。巷では、8月よりも9月の方が発生する台風の数は多いという話もありますね。
2023年9月、私の留学が幕を開けたのですが、初っ端から台風の影響で1週間ずっと雨が降り続いていました。外に出ることが多かった私は、ほどなくして現地で長靴を買ってしまったほどです。
当時の降りっぷりといえば凄まじく、坂が多いバギオではよく道路が川のようになっていました。そのため、ナイトマーケットやセッションロードのイベントも中止となるときもありましたね。
ただ、台風が来ていなければ、晴れの日もチラホラと出てきます。気温も日中だと半袖一枚、朝夜は1枚薄手の羽織れるものがあれば十分なので、服の準備はそれほど多くなくてOKです。
10月【オススメ度★4】雨季の終わりが見えてくる月
一般的に、現地の人たちは11月末頃まで雨季、12月から乾季という認識の方が多いです。それでも10月になると、晴れの日がかなり増えてきてお出かけがしやすくなります。
私が滞在した2023年は特に雨が少なく、私はてっきり雨期が明けたものかと思っていましたが、例年はそうではないということで、雨への備えは必要です。
雨期の間、バギオ周辺での登山やハイキングなどは道のコンディションが良くないため、あまりオススメ出来ません。しかし、この時期は朝~昼までは比較的天気が安定しています。
私自身10月になって、バギオのお隣の市La Trinidadの「Mt. Yangbew(ヤンブー)」、「Mt.Kalugong(カルゴン)」へ登山に行きましたが、昼までであれば比較的穏やかな天気でした。
11月【オススメ度★5】私的ベストシーズンが始まる月
さて11月。おめでとうございます、ここまで来ると、ほとんど雨の脅威はありません。私の滞在期間中、11月~3月頃までほとんど全く雨が降ることはありませんでした。
11月までは雨季と言われてますが、降水量のグラフがほとんど降らないことを証明しているので、安心してもらって大丈夫かと思います。
また、11月におけるフィリピンの祝日については覚えておいてください。11月の頭にはキリスト教にまつわる「All soul’s day」と「All saints day」があり、長期の連休となるので、旅行に出かけやすいです。
雨期が明け、天気が安定してくるということで、現地ではお祭りやイベントが満載です。そして、この時期に開かれる一大イベントと言えば…そう、クリスマスです。
12月【オススメ度★5】街が一番賑やかになる月
さて12月。日本でもおなじみクリスマスの時期ですが、キリスト教徒の多いフィリピンでは更に大きなイベントとなります。街のあちこちでクリスマスの装飾とライトアップを見るようになります。
そして、市民の憩いの場「バーナムパーク」にはクリスマスマーケットが立ち並びます。雰囲気がかなり良く、屋台の出店も多くありますので、ぜひ訪れて見て欲しいスポットとなります。
天気と気温の話に戻って、ここからは乾季となりますので、雨が降ることは非常にまれという季節になります。ビーチや登山などのアクティビティも天気の心配がなくなり、夕方や夜に行くことも可能です。
気温については、日中はシャツと薄手の羽織るもの1枚。朝晩は必要に応じてジャケットを用意していれば問題ないでしょう。個人的に12月は留学期間に入れて欲しいイチオシの月となります。
まとめ
今回は、バギオの月別の気温や天気についてまとめてみました。もし留学期間を自由に決めることが画出来るなら、乾季となる12月~3月を強くオススメします。
それ以外の月についてもフィリピンの他の地域より涼しく過ごしやすいはずです。日本やマニラが35度越えで暑い暑いと言っている中で、快適な環境を享受できるのは大きなアドバンテージです。
ただ、ディスアドバンテージとなり得るのは空港からのアクセスの悪さでしょうか。マニラから車で5時間、クラークから4時間は決して楽なものではありません。
ただ、そこさえ乗り越えられれば、素敵な環境が待っていますので、是非多くの人にバギオを選んで欲しいなと思います。
以上、1年間バギオで過ごしてきた筆者が感じたバギオのリアルでした、皆さんの留学選びの参考になれば幸いです!