日本から一番近い南国気候の国、フィリピン。
旅行・留学・海外就職、いろいろな楽しみ方があることでしょう。

フィリピン行きの航空便っていっぱいあるよね。どの航空会社が良いんだろう?
普段はAir Asia(エアアジア)やCebu Pacific(セブパシフィック)などLCC、いわゆる格安航空の中でも特に安い航空会社ばかり利用している私。
今回、初めてZIPAIRに乗ってみて感じた良いところ、海外LCCでは得られないメリットをご紹介していきたいと思います!
ZIPAIRとは
ZIPAIR(ジップエアー)とはJAL(日本航空)が運営する日本資本LCCです。
初めて就航したのは2020年。国際線のLCCといえば海外企業という印象だった当時、国産企業が参入し非常に注目を集めていました。

出典:ZIPAIR公式ウェブサイト(https://www.zipair.net/ja/about_zipair)
低価格を実現するために機内食は有料、座席モニター等は搭載されていません。
一方、安全基準においてはJALグループと同じのものが採用されており、高い安全性を保障しています。
LCCの価格
私が今までエアアジアなど、海外資本のLCCばかりを利用してきた理由はシンプル。少しでも価格を抑えたかったためです。
過去3度のフィリピン渡航では、下記の航空会社を利用してきました。
- 2019年成田→セブ:Cebu Pacific
7,330円
- 2023年成田→マニラ:Air Asia
15,513円
- 2024年成田→クラーク:Cebu Pacific
22,810円
価格はシーズンや時代的背景があると思いますが、かなり安いですよね。サービスがカットされていることを考慮しても、十分すぎる価値があります。
ZIPAIRの料金はこれらに5,000円ほど上乗せされるイメージです。
2025年6月、今回紹介する成田→マニラ便の価格は17,660円でした。

価格重視の場合は選択肢になりにくいのが実態なのです。
ZIPAIRを選んだ理由
ZIPAIRとは一生縁のない人生になるかと思っていました私。しかし、今回利用するに至ったのには大きなきっかけがあったのです。
それは、パスポートの更新が関係しています。
ある日のできごと

(フィリピン在学中)
パスポートの期限が切れそう。更新しないと…。
マニラの大使館で出来るんだっけ?

スタッフ
大使館での手続き、面倒そうだから日本でやった方が良いみたい。

帰国するかー。いつも通りLCCの安いとこ探して…。
あれ?パスポート番号変わるよな。航空券の予約は大丈夫か…?
調べて見たところ、パスポートの番号変更はどこの航空会社もフライト当日の対応となっています。
率直に言うと、「格安LCCだとトラブルが発生しそう」と不安を拭えませんでした。

LCCを利用する上でのリスクといえば、空港カウンターの長蛇の列。そんな状況下で手続きが円滑に進むか分かりません。
加えて、お客さんの民度というか…。安いサービスを利用している以上、それなりの人が集まってきます(人のこと言える立場ではありませんが…)。

出典:ZIPAIR公式ウェブサイト(https://www.zipair.net/ja/about_zipair)
その点、ZIPAIRならJALグループですし、イレギュラーがあっても大丈夫だろうと思い利用するに至りました。
パスポート番号変更の手続き
結論を先に言うと、パスポート番号の変更は非常に簡単でした。
特別な手続きなんてものは必要なく、通常のチェックインをするだけ。

私のイメージでは、航空会社のカウンターで新旧パスポートを照らし合わせて、本人確認し、番号を入力し直してもらう…。みたいな手続きが発生するのかと思っていました。
しかし、少し拍子抜けするほど簡単。対面での手続きも必要ないほどでした。
ZIPAIR利用レポ
ここからはZIPAIRのチェックインから機内の様子について、実際の状況をお伝えしていきます。
今回私が利用した路線は”成田空港”発 ”ニノイアキノ(マニラ)空港”着。
2025年6月29日(日), ZG095
8:55 成田空港 第1ターミナル発
12:50 マニラ空港 第1ターミナル着
前日から成田空港付近で前泊し、早朝にチェックインするプランでした。
ホテル前泊
宿泊したホテルは「インターナショナルガーデンホテル成田」。

引用:Trip.com(https://jp.trip.com/?locale=ja-JP&curr=JPY)
ホテルが提供している無料シャトルバスがあり、空港から移動時間は30分ほど。
ホテル内にセブンイレブン、近くにミニストップがあり立地はかなり良いです。

引用:Trip.com(https://jp.trip.com/?locale=ja-JP&curr=JPY)
一般のビジネスホテルよりもグレードは高い印象で、前泊にはかなりおすすめ。
なのに不思議と価格はお手頃でした。今回、Trip.comで予約してたまたまタイミングが良かったのかもしれません。
ホテルからターミナル1へ
早朝6:10にホテルからシャトルバスに乗り、空港に到着したのは6:30。
ZIPAIRのカウンターはターミナル1の北ウイングにあります。

早朝のターミナル1はこのような感じ。早い時間なのでさほど混雑していません。
ZIPAIRのカウンターはC,Dエリア付近にあります。
チェックイン
チェックインには無人のチェックイン端末を使用します。この手続きが非常に簡単。
- ZIPAIRを選択
- 持ち込み禁止品について同意
- パスポートをかざす
以上3ステップで完了!
預け入れ荷物があれば、ドロップオフエリアへ移動します。
また、手荷物の持ち込み可能重量が8kgまでということで、スタッフに重さを確認されます。問題なければ荷物タグをつけてくれます。
保安検査から搭乗まで
チェックインが完了したら、保安検査・出国審査に向かいます。検査場には飲料の持ち込みはできませんので、その点だけは注意が必要です。
どちらも5分ほどで完了、特に出国審査は自動化ゲートのおかげで1分とかからず、非常にストレスフリーでした。

あとはゲート付近で搭乗の案内を待ちます。
この時間を利用して、水を1本くらい買っておいた方がいいでしょう。飲料水、通称”空水”は500mlで160円でした。
機内設備(座席など)
搭乗の案内が聞こえてきたら、いよいよ機内に乗り込みます。
こちらがZIPAIRの機内の様子です。

普段、格安LCCばかり使っている身としては、👨「うわっ、綺麗~!」と思いました。
天井や頭上の収納に傷は無く非常にピカピカ。座席周りや機内案内なんかも整然としています。

こちらは座席の写真。
シートサイズはLCCと変わりませんが、非常にきれいです。

一方海外LCCと比べ、前の座席の間隔は明らかに広いです。
安い便ほどぎゅうぎゅうに詰め込まれているように感じがちなのですが、ゆったりとしています。

出典:ZIPAIR公式ウェブサイト(https://www.zipair.net/ja/about_zipair)
イメージとしては、日本の新幹線の座席に近い感じです。特別感はないものの、全体的に標準レベルをクリアしています。
安い飛行機に乗り慣れている私にとっては非常に快適な空間でした。
機内設備(Wifiなど)
個人的に楽しみにしていた機内Wi-fi、こちらは残念な結果でした。

スマホを機内モードに設定していても、「ZIPAIR_passenger」というWifiに接続することが可能。

使用感はというと…。

え?これ動いているんだよね…?
YoutubeやXは見れませんし、ウェブブラウザでの検索はおろかLINEのメッセージすら送信出来ません。
通信面についてはこれからに期待といった感じです。時間つぶしのため、事前にオフライン利用できる動画や映画を用意しておきましょう。

また、各座席には充電ポートがあります。
1人1台ずつ使えるのは非常に助かりますね。到着後に備え、利用させてもらいましょう。
ZIPAIR利用のメリット
今回初めてZIPAIRを利用し、ならではのメリットとデメリットを発見しました。
ZIPAIR利用のメリット
- 成田空港ターミナル1が起点
- 機内と客数のゆとり
成田空港ターミナル1が起点
ほとんどのLCCはターミナル3が起点である一方、ZIPAIRはターミナル1。これだけで大きなメリットがあります。
- 空港ラウンジが近い
- 定刻出発しやすい(気がする)
空港ラウンジが近い
成田空港ターミナル1,2にはクレジットカードの特典で利用できるラウンジがあります。ターミナル1の場合、「IASS Executive Lounge 1」が利用可能。

保安検査場より手前、航空会社のカウンターから5分ほどのところにあります。
座席がずらっと並んでいるだけのラウンジですが、数時間暇をつぶすには問題ありません。

5席ほどですがカフェのように座って作業するスペースもあります。

ソフトドリンク飲み放題で、ビールは1本無料で提供されます。

営業時間は7:00~21:00。時間が合えば、利用してみてもいいでしょう。
定刻出発しやすい(気がする)
LCC利用時の最大リスクに急なスケジュール変更があります。出発前日に日時が変更になることもあれば、当日数時間待ちとなることも…。

よくあるのが機内に乗り込んでからの待ち時間。管制塔の指示が出ず、なかなか離陸しないというもの。
特にセブパシフィックやエアアジアなど第3ターミナル利用時には頻発します。

一方、第1ターミナルではグレードの高い航空会社が多く起点としています。
ゆえに、かどうか分かりませんが遅延や時間変更が起きにくい気がします。
実際、今回の旅程でも時間変更は発生せず、すべてon timeで進んでいきました。
機内と客数のゆとり
座席紹介時でもお伝えした通り、前後のスペースはゆとりがあり圧迫感が少ないです。
さらに今回の旅程で言えば、乗客の数もさほど多くありませんでした。

見た感じ、席が埋まっている割合は60%。👨「日曜日の便にしては乗客が少ないな」と少し心配になるほどです。
一方、海外資本LCCはいつも満席。まさに人であふれているというのが日常茶飯事で落ち着きません。ここは大きな違いとなります。
たまたま今回空いていただけかもしれませんが、ゆったりできる可能性は高そうです。
デメリット
一方、フィリピン行きのZIPAIRを利用するにあたりでデメリットもあります。
到着がマニラ空港ターミナル1
ZIPAIRの唯一の弱点と言っても差し支えないのが、マニラ空港の到着がターミナル1であること。
ManilaのTerminal1と言えば、時間をつぶすものが何もないことで有名。下記2枚の写真で全容が語れるほどです。


空港内にあるのは両替所とSIMの販売所くらいのもので、ちょっとした飲食店すらありません。
待ち合わせがある場合は、下記のメタリックな座席に座っておきましょう。

一度空港のドアをくぐってしまうと中に入るのが難しくなる可能性がありますので、空調が効いていてWifiが使えるエリアで待機することをおすすめします。
ZIPAIR利用におすすめの人
ここまでZIPAIRを利用して感じたことをお伝えしてきました。
👨「めちゃくちゃ良い!」という感じではありませんでしたが、余裕の及第点越え。最安の路線にプラス5,000円する価値はあったかと思います。
個人的な意見として、フィリピン行き ZIPAIRの利用をおすすめできる人は下記になります。
ZIPAIRの利用おすすめできる人
- 4時間くらいなら特にサービスは必要ない
- 座席周りはゆったりしたい
- 待ち時間が増えるのは極力避けたい
あとはManilaのTerminal1がもっと充実してほしいところですね。買い物できる場所が全くないのは悲し過ぎます…。
この点は今後に期待しましょう。
(おまけ)捨てチケットは必要なかった
ここまでで「あれ?」と思った方はフィリピン通。「捨てチケットについては聞かれなかったのか」とお思いのことでしょう。
その通り、捨てチケットの確認はありませんでした。

以前、セブパシフィックやエアアジアを利用した際は必須でした。
今回もTop Onward Ticketというサイトで10ドルチケットを取得していたのですが、結局出番はなし。

ZIPAIRの手続きを考えると、捨てチケットを確認される可能性はきわめて低いと考えます。
よって値段が少し高くとも、捨てチケットが必要ないとなれば、差額分をペイできるという考え方もあります。
ただ、捨てチケットが100%必要ないとは断定できません。それに入国審査や現地でのSIM登録に必要になるケースがあります。
個人的には10ドルくらい払って安心を買うべきと考えますが、捨てチケットを用意するかはご自身の責任で検討いただければと思います。