2025年4月1日より、自己都合退職時の失業給付(失業手当)の制限期間が短縮されます。
社会人で留学やワーホリを検討中の方には、大大大朗報!

新卒で働き始めたけど、20代のうちに海外で働く夢を捨てきれない!

留学が終わって帰国後、すぐに再就職したい!
といった思いを持つ人には、大きな後押しとなるはずです。
今回の記事では、制度改正で変わった点を紹介しつつ、無駄なく失業手当を貰う方法を解説します!
失業給付の変更点
今回の制度改正で変わった点は2点。
- 失業給付の待機期間が2か月→1ヵ月へ
- 教育訓練により受給制限が解除
これらの制度改正は、令和7年(2025年)4月1日以降に自己都合で退職する方が対象となります。
※同年3月31日までに退職を迎えた人には適用されません。
※退職日から遡って5年間のうちに、2回以上自己都合退職で受給資格決定を受けた場合も対象外となります。
失業給付制限が1ヵ月へ
目玉となるのは、何と言っても受給制限の短縮!
私が待ち焦がれた改編の一つです。

厚生労働省:令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について(https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001293213.pdf)
従来なら、失業保険を申し込んでから2か月間の受給制限期間があったところ、今回の改正で半分の1ヵ月に短縮されたのです!
これにより、経済面の負担がぐっと減少することになります。

厚生労働省:令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について(https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001293213.pdf)
仕事を辞めた後に貯金を切り崩して過ごす期間は、なるべく短くしたいところ。年金や住民税などで現金が目減りしていくのを眺めるのは、精神的に良くありません。
私自身も実際の経験から、税金等の額が思ったより大きいことを痛感しました。

それゆえに受給期間が早くなるのは、良いことしかありません。また、お金の面だけでなく、時間を有効活用できるようになるのも嬉しいポイント。
留学や再就職など、1か月早く次のステップに進めるのは大きなアドバンテージとなります。
教育訓練で受給制限が解除
1か月の短縮のほか、制限自体を撤廃する方法も発表されました。条件はそれほど難しいものではありません。教育訓練を受けるだけです。
教育訓練の中身は幅広く、厚生労働省のウェブサイトにて下記のように表記されています。

厚生労働省 教育訓練制度(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html)
英語に関する資格等として、英検・TOEIC・IELTSなどもあります。留学を検討している場合には、前もってこれらの資格に挑戦するのも悪くないでしょう。
また、給付制限を早くする具体的なスキームは下記のように図解されています。

3つのパターンを要約すると次のようになります。
- 教育訓練を受けない場合
1~3か月の待機期間があり、終わると受給開始 - 退職1年以内に教育訓練を受けていた場合
給付制限そのものが撤廃 - 待機期間に教育訓練を受け始めた場合
受講開始日から給付制限が撤廃
最も無駄なく受給を始めるには、②退職1年以内に教育訓練を受ける がベスト。経済的・時間効率的な面で見ても、隙がありません。
ただし、仕事と教育訓練を両立しなければならない点を考慮すると、なかなかハードな選択となることでしょう。

というのも、訓練という名前が付いているとおり、プログラムの修了には条件があります。教育訓練は政府によって認定されたスクールで受講可能で、基本的にはお金を支払って参加します。
下記、MerRISE(ミライズ)という英会話スクールの修了条件となります。
このように、授業の出席率95%とテストの受講がマストなのです。また英語を勉強する場合、実力が実際に伸びたか?チェックされるケースもあると言います。
実際に申し込む前に、カウンセラーの方に確認することをおすすめします。
教育訓練の種類
教育訓練は3つのタイプに分類されます。

教育訓練給付制度のご案内(厚生労働省)
厚生労働省 教育訓練給付制度(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html)
このうち、英語に関わる講座は3つ目の一般教育訓練に当たります。挑戦がしやすい一方で、政府からの補助は少なくなります。
- 専門実践教育訓練
資格の必要な専門職や大学等への進学 - 特定一般教育訓練
資格の必要な専門職や大学等への進学 - 一般教育訓練
技能の証明となる資格
また、英語以外にITやビジネス系スキルも再就職を目指すのに役立つかもしれません。
実は私、退職前に色々と取れそうな資格を取っていたんですよね。「日商簿記2級」「ITパスポート」「統計検定3級」など時間を見つけて取得しました。

当時の私が、このような制度に出会えていたらなぁと、今では羨ましく思います。
「特定一般教育訓練」の項目の中にある“ITSS レベル2”相当の資格も興味深いです。
(参考)ITSS レベル2相当の資格
- 基本情報技術試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
どちらも国家資格であり、ITエンジニアの登竜門となる資格と言われます。エンジニアにならずとも、ITに関する知識はどの分野でも生かせるはずです。
補助の金額も大きいので、これらの資格取得を検討してみるのも良いでしょう。
教育訓練の申し込み方法
教育訓練の申し込み方法について、詳しく説明します。申し込むルートは下記のように大きく2つに分かれます。

教育訓練給付制度のご案内
厚生労働省 教育訓練給付制度(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html)
「特定実践教育訓練」と「特定一般教育訓練」の場合、先に各地のハローワークやキャリアセンターにてカウンセリング等を受ける必要があります。
一方、英語資格を含む「一般教育訓練」は受講修了後の申請でも問題ないようです。
今回はホームページの説明が分かりやすかった、とある英会話スクールを例にとって紹介します。

MiRISE(ミライズ)英会話の場合
[申し込みから修了認定まで]
先に受講を開始し、修了してからハローワークに申請する形になります。
[ハローワークに提出する書類]
- 教育訓練給付金支給申請書
- 教育訓練修了証明書
- 領収書
- 本人・住所確認書(運転免許証など)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカードなど)
- 雇用保険被保険者証
- 金融機関の通帳またはキャッシュカード
- 教育訓練経費等確認書(ハローワークにある)
※詳しい手順や方法については、カウンセラーの方に確認してください。
失業給付を受給するモデルケース
上記を踏まえ、無駄なく失業給付を受給することが出来るプランを考察します。
まず初めに、教育訓練を受けない場合のスケジュールは下記のようになります。


一方、教育訓練を受講する場合、下記2つのパターンが考えられます。
②事前に教育訓練を受ける場合


③有休消化中に教育訓練を受ける場合


一刻も早い受給を望むのであれば、②,③を選ばない理由はありません。
仕事をしながら勉強する時間と体力があるのなら②を。
有休消化期間、意欲的に勉強出来る自信がある場合は③を選びましょう。
訓練プログラムの探し方
ハローワークやキャリアセンターが案内している教育訓練はウェブ上で検索が可能です。
まずは、下記検索システムから自分に合った講座があるか探してみましょう。

また、一般教育訓練に含まれる資格は、民間のスクールでも受講することができます。
調べてみると、教育訓練専用のプログラムが組まれていることが多いです。👦「近所に教育訓練所に認定されている英会話スクールがあるかな?」と思った場合、
“○○市 英会話 教育訓練”
と検索すると、情報が見つかるかもしれません。
まとめ
今回は、社会人留学の追い風となる失業保険の制度改正についてお伝えしました。
待機期間の短縮はリスキリング(学び直し)を後押しする国策によるものです。
自分磨きや転職に有利な制度が生まれている、今の風潮を絶やすことなく、どんどん推進して欲しいところです。

私にとっては、本当に待ちに待った(もっと早く来てほしかった)ものでした。
私が退職から留学まで行ったのは、2023年9月から2024年2月。
フィリピンから帰国後、失業給付を申請しない決断をした当時の私は、こんなことを言っていました。


今回の改正を受けて、こう改めましょう。


失業保険の制度を利用することを躊躇する必要はありません。働いている間、誰しもが安くない社会保険料を払い続けています。
補助を受ける側になったら、自分の利益が最大になるよう活用してしまいましょう。

退職や転職が人生における大きな分岐点になることは間違いありません。自分が納得できるまで、十分に検討して頂ければと思います。
おまけ:オンライン面談
もう一つ、過去の私が心待ちにしていた改善予定の項目がありました。それは、オンライン面談の導入です。
失業認定されたのち、受給予定者は月1回、ハローワークスタッフとの面談を受けなければなりません。

就職活動や資格取得の進捗を報告し、再就職に前向きな姿勢を見せる必要があるのです。
これは、受給の継続に関わる必須要件となります。基本的に対面での面談が実施されるため、直接施設に赴かなければなりません。
その面談の仕組みが変わるかもしれない。そんな兆しが2024年時点にありました。

日経新聞オンライン https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA085FP0Y4A200C2000000/
オンラインで実施できたら、それはもう超便利ですよね。
行き来の手間が無くなりますし、スケジュールを組みやすくなります。
あれから1年が過ぎ、オンラインの制度がどうなったのかというと、下記のとおり。

NHK 失業給付を受け取るための面談 来年からオンライン可能に(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240521/k10014455271000.html)
オンライン面談は可能。ただし、条件は下記に当てはまる人とのこと。
- 子育て中の人
- 介護中の人
- 障がいがある人
- 自宅とハローワークの間の移動に4時間以上かかる人
条件を満たすのはなかなかに難しく、少し残念な結果でしたね。
ただ、私は思うのです。

「自宅とハローワークの間の移動に往復4時間以上かかる人」という条件を解釈すると、留学中に失業給付を受給できるのでは…?
留学だって立派な学習の一環で、次の仕事に繋がるスキルです。

今までは月1回の対面面談に参加する必要があったので、実現は不可能でしたが、もしかすると、「失業給付中留学」なんていうのも、今回の制度改正で出来るようになる…かも。
認可される可能性は極めて低いですが、ハローワークの職員の方に聞いてみる価値はあるかもしれません。
「やってみたよ」という方がいれば、是非ともお話を聞かせてください!