栄枯盛衰、郷愁を感じるような体験を経て感性を養う、そんな体験をしてみるのもいいかもしれません。
・・・非日常でありながら、どことなくかつての生活を感じることが出来る、そんな場所のことを言うのでしょうか…。よくノスタルジックという言葉で表現されますが、ゴーストホテルこと Diplomat Hotel
実はバギオにも有名な廃墟があります、しかも街中心部からかなり近いエリアにです。私自身、初めての経験だったので、他の廃墟と比較することは難しいですが、今までに感じたことの無い感情の揺さぶられ方をました。その経験をここに記録として残しておきます。
Heritage Hill and Nature Park Garden (旧 Diplomat Hotel)は、バギオ市内から2~3km離れた小高い丘の上にあります。Google map上の評価は☆4.4(2572)と高評価。実は廃墟と聞くとアクセスの悪い山奥で…と想像しがちですが、気軽に行けてしまう人気の観光地と化しています。
その歴史としては、廃れては改装されを繰り返し、1970年代に今の建物の形へ。そして1980年代にオーナ不在のため放棄されたとのことです。戦時中の歴史やその不気味さも相まって、色々な怪談話が語られており、「別名:ゴーストホテル」となったという経緯があります。
私が行った当日の天気は霧。雰囲気を演出するのにはぴったりの天気でした。ただ、丘の上で景色もいいので晴れの日だとまた別の楽しみ方が出来ます。観光客の中には犬連れやお菓子を持ち込んで食べている方もいました。
Diplomat Hotelの行き方(ジプニー)
ジプニーでの訪問に挑戦される方は、写真の表記のあるジプニーに乗って下さい。「街中心部からドミニカンヒル巡回」という経路を回っているジプニーになります。このドミニカンヒルという小高い丘の上に目的地があります。
ゴーストホテルの近くには珍しくジプニー用のバス停もあります。慣れている人なら、タクシーを使わずともジプニーで簡単に来られますね。今回私は利用しなかったので、実際の料金は分かりませんが、私の感覚では25ペソ(約70円)くらいだと思います。
Diplomat Hotelの行き方(徒歩)
実はこのホテル、私の滞在先から見える位置にあり、距離はそんなに離れていません。観光客の場合、タクシーで行くのが一般的ですが、前述の通りジプニーで行くことも可能です。ただ、今回私は、近そうに見えたので、散歩がてら徒歩で向かうことにしました。
Google mapによると所要時間は33分、距離としては1.9kmで、見た感じではいい運動になるなと言いた感じの距離です。ただ小高い丘の上に位置しているだけあって、歩くと同時に坂を登る必要があります。出発地点から到着に至るまでには、131m分の標高差を含んだ縦移動が必要です。
ただ、私自身は街歩きが好きということもあり、大変でしたが道中もけっこう楽しめました。市街から見て西側は、いつもは行かない未開拓のエリアで、かなりローカル感強めでした。道を歩くだけでワクワクするような感じで、バギオの中でも高いところに位置しているので景気がかなり綺麗です。
道中には、ハンバーガー2個で55ペソ(約170円)とかいう激安カフェやTシャツを20ペソで販売している個人商店、後はデカい飼い犬など見応えのあるお店なども現れます。ただ観光客が来ることを想定していないので道は険しく迷いやすいです、私も2回ほど迷いかけました。
帰ってきてから考えると、私の場合は徒歩で行って正解でした。というのも、ホテル自体はそんなに規模が大きくなく、それだけの目的だと時間を持て余すんですよね。なので、歩きも全然OKと言う方は、道中を楽しみながら、徒歩で行きましょう。息が切れるほどの坂もあるので気合をいれてくださいね。
いざ、ゴーストホテルへ
いくつもの坂を超えて丘の上へ、そしてようやくそれっぽい建物が見えてきました。いきなりこんな風化した建物が現れるので、今までとのギャップに衝撃を受けます。ただ、写真のところは別棟のような感じで、これ以上近づくことはできません。遠くから見ただけでこの雰囲気…絵になります。
ゲートをくぐって中に入り、守衛所のようなところで入場料を払います。大人は10ペソ(約27円)、子どもは5ペソ(約14円)で、まあ気持ち程度の入場料ですね。この日は週末だったので、お昼を過ぎたくらいの時間で観光客は30人くらいいました。そしていよいよゴーストホテルとの対面です。
初見のインパクトはかなり大きかったです。感動の中に不気味さと偉大さを感じるような「The ノスタルジック」というのにふさわしい感情が湧いてきました。丘の上の一等地で、豪華にホテルを構えてかなり栄えていたんだなぁと思いにふけることが出来ます。
正面ゲートの奥の入り口です。柱の感じから、フィリピンなどのアジアンテイストは全く感じられず、どちらかと言えばヨーロッパ的な雰囲気を感じます。
かつてのラウンジ、もしくはホテルのロビーなのか掲示板のようなものの跡が見えます。
タイルの感じや壁のくぼみからトイレだと推測されます。廃墟が全体的にモノトーン調なのに対して、ここだけ鮮やかな色彩を放っているので、異質感が凄いです。
集会場でしょうか?ここだけは、現在もメンテナンスされているようで床だけは綺麗でした。窓はバリバリに割れているんですけどね。
窓から奥を見てみると、噴水のようなものが見えます、庭が中心にあるタイプのホテルだったのでしょう。
窓はガラスが割れたままフレームだけが残っているところもあります。その真下にはガラスの破片がそのまま残っているので怪我には注意が必要です。
昔は中まで入場で来たそうなのですが、現在は立ち入り禁止ですので外から眺めるだけになります。ホテル自体はそんなに大きくなく、2分ほどでぐるっと回ることが出来ます。なので、長く過ごすには不向きですが非日常感を存分に味わうことが出来ます。
ギネス記録認定の石碑
同じ敷地内に「The largest ten commandments tablet building」としてギネス記録に認定されたものがあります。つまり「モーセの十戒が書かれた世界最大の石碑」という意味です。
こちらの石碑については、何の前情報も仕入れていなかったので行ってから気づきました。写真の中には警備の人が映っているので、いかに大きいかイメージしやすいかと思います。
まとめ
今回はバギオ市内から気軽に行ける観光地?「Diplomat Hotel」というゴーストホテルについてお伝えしました。コアな廃墟好きの人にとっては物足りないかもしれませんが、廃墟歴の浅いにわかの私は十分に楽しむことが出来ました。
規模としてはそんなに大きくないので、観光で来る際はココと近くのミラベルエコパークというところも併せて行ってみるといいかもしれません。私個人としては、徒歩で行ってみることをオススメしますが、雨が降っても面倒なので、天気や自身の体力と相談して判断してください。
隠れた名スポット巡りの旅は、まだまだ続ける予定です。それではまた次回!