フィリピンで歯列矯正、経過報告【~6か月】

フィリピン、バギオで歯列矯正を始めたのが2024年7月。あれから半年が経過しました。

大変なことばかりですが、改善が見られつつあることが唯一の救いです。そんな私の歯列矯正の奮闘記について【6か月目】までを備忘録としてここに残します。

おさらい:フィリピンでの歯列矯正

簡単に、矯正状況について振り返ります。私が実施しているのはワイヤー矯正。歯の表面に金属ワイヤーを取り付ける、最も一般的な方法です。

日本ではインビザライン、マウスピースなど、様々な選択肢があるようですが、ここフィリピンにおいてはワイヤー矯正ほぼ一択となります。

当初、歯科医から2年間継続することを勧められましたが、いつまでバギオに居るのか分からないので、期間は1年に設定しました。

料金は50,000ペソ(約13万5千円)。3週間に1回受診を行い、アジャストメント(ワイヤーの締め調整)を実施するというものであり、他に必要な施術があれば、追加で支払うといったプランです。

矯正を実施する前のレントゲン写真がこちら。課題は「歯並び」、そして「埋まっている犬歯」。これら2つの改善をメインに矯正がスタートしました。

スポンサーリンク

0-1か月目

普段の食事が一番の課題!!

初月はたくさんの困難が押し寄せてきました。まず苦労したのが、前歯が使えないこと。ワイヤーでギュッと押さえつけられているので、食べ物が触れるだけで痛みが走ります。

そのため、食事のたびに料理を一口サイズに切り刻んでから慎重に口に入れる、ということを行う必要がありました。

さらに追い打ちとなったのは、フィリピン食です。ここフィリピンではチキンを使った料理が数多くメニューにあがります。その弾力ゆえに、細かく刻むのも一苦労…。

また、当然咀嚼にも多くの時間を要します。どれだけ遅くなったかというと、矯正を始める前と比べて、倍近くは時間をかけて食事をしなければなりませんでした。

さらにさらに追い打ちをかけるように私を苦しめてきたのは、口内の違和感です。常に歯の隙間に何か引っかかっているような、挟まっているような…

実際に食べかす等が挟まっていることもあるのですが、ワイヤーしか無いのに違和感が消えない…。といったこともあり、原因が特定出来ないもどかしさが非常にストレスでした。

ブラケットが外れる…。

食事に苦戦しながら5日ほど過ぎた頃、突然「ガリッ」とした食感のものが口内に出現。

吐き出して確認してみると、ブラケットでした。こちらは、歯の表面に接着剤でくっつけられているストッパーのような金属で、ワイヤーを固定しています。

基本的に外れることは無いと聞いていましたが、わずか数日であっさりと外れてしまいました

ブラケットが外れてしまうと、ワイヤーが宙に浮いた状態になってしまいます。隙間ができて鬱陶しいだけでなく、歯ぐきに刺さるなどしてこちらも非常にストレスになります…。

このブラケットが外れる事態が週に1回のペースで発生。そのままにもしておけないので、本来3週に1回の通院予定だったのに、気付けば毎週通うようになっていました…。

1~2か月目

ブラケットは尚も外れる

ブラケット剥離事件は1ヵ月経った後も変わりなく続いています。外れる場所も毎回決まっており、右下一番奥の部分がどうしても長くもちません。

原因はどうやら、もともとの噛み癖。長年の歪んだ歯列での咀嚼が変な癖をつけ、食事の際に良くない作用を及ぼしているようでした。

今までの人生を振り返ってみれば、乳歯から永久歯に生え変わってから20年。正しい嚙み方なんてものは意識したことは無く、ここに来て思い知らされることになりました。

そして、ブラケットが外れるたびに追い課金が必要です。再度くっ付けるだけなら500ペソ(約1,350円)、飲み込んでしまって本体を無くすと800ペソ(約2160円)

毎週の通院にかかる追加料金はありませんでしたが、追加のブラケット代として約2000ペソは追課金することとなってしまいました。

口の中の違和感には若干慣れる

さて、ブラケットについては長らく苦しめられましたが、口内の違和感については2週間で慣れました。

克服の鍵は、毎食後の爪楊枝でのお手入れです。

なんてことない作戦ですが、効果はてきめんでした。そもそも、私には爪楊枝を使う習慣があまりなく、そこになかなか辿り着かなかったのです。

ある日、爪楊枝とスタンドミラーを導入してからというものの、違和感は解消。このお手入れは半年たった今でも欠かすことができません。

ちなみに、バギオでも爪楊枝は購入可能です。日本のDAISO的なお店で、日本語パッケージの物が売っていました。価格はこの400本22ペソなので、十分お手頃と言えるでしょう。

初めてのワイヤー調整

さて1か月が経ち、初のアジャストメント(調整)がありました。

やることは簡単。歯を押さえつけているワイヤーをキツく締め直す、という作業になります。

これにより、歯の向きや位置を理想のポジションへ近づけていきます。このアジャストメントにより、新しい痛みと違和感が生まれ、慣れるまでの戦いが再度幕を開けるのです。

最初は大変でしたが、今回は最初の1週間で慣れました。痛み止め用の塗り薬を渡されていましたが、幸い使う出番はありませんでした。

スポンサーリンク

2~3か月目

奥歯に固定用のリングを装着

外れ続けてきたブラケットですが、2か月目になると頻度は2週間に1回程度となりました。ただ安定はせず、つけ直した数時間後に外れる事態も発生。

そんな日々が続いたので、ドクターから歯をカバーするリングの装着を提案されました。

写真のように歯の周囲に金属のリングを被せ、そこにワイヤーを結んで外れなくしてしまおうという作戦です。

一見、非常に突飛なアイデアに思いますが、ブラケットが使われる以前は良く行われていた手法だったとのことでした。

やれることは何でもやってみようということで早速導入。結論から言うと、効果はてきめん。導入から3か月経った今でも装着を続けています。

最初こそ違和感があったものの、すぐに慣れました。歯の表面にワイヤーのワイヤーに比べれば、これぐらいの違和感はナンボのものです。

食事のストレスは激減!

0~1か月目でお伝えした通り、日々の食事がかなりストレスでした。先に紹介した内容に加え、噛み切れないなと思った時に咀嚼をあきらめ、形が残ったまま飲み込むことも増えました

そのため、初めのうちは口の中だけでなく、胃や食道、腸などの消化器官にも多大な負担がかかっていたのは間違いありません。

そのような生活を2か月続けてきた結果、少しずつ障害を克服してきました。この頃から、一口のサイズ、咀嚼力も矯正前と同じくらいのレベルまで戻って来ました。

ただ、前歯だけはどうしてもプレッシャーをかけると痛いので、ハンバーガーなどの齧り付く系・アイスや焼き鳥串など棒が付いた食べ物はまだまだ苦戦が強いられています…。

3~4か月目

新たな動き!上の歯2本を抜歯

さて、ここまではワイヤー矯正処置のみで行ってきましたが、新たな施術が必要となりました。それは、「抜歯」。

もともと顎が小さく、その影響で歯並びが悪くなっているので、矯正して正しい歯列を確保するためにはスペースが必要。それなら、必要ない歯は抜いてしまおうという訳です。

今回抜歯するのは写真の2本。前歯から数えて3番目にある歯です。

私の場合、単なる歯列の問題以外にも抜歯が必要な理由があります。右側の歯(犬歯)がスペース不足で歯ぐきに埋まっており、この歯を引っ張り出してくる必要があるのです。

正直なところ、出来れば抜歯はしたくありませんでした。ただ後にも先にも、このタイミングしかないということで、覚悟して施術を受け入れました。

※ここからは、少し痛々しい描写を含みますので、苦手な方は4~5か月目まで飛ばしてください。

上の歯2本の抜歯!!!

最初は部分麻酔からスタートします。まずは液体状の麻酔薬を歯ぐきに塗って感覚を鈍化。じわじわと効いてきたところに、2つ目の麻酔を歯ぐきに注射していきます。

痛い、のは間違いありませんが、思ったほどの激痛ではありませんでした。針の鋭い痛みを感じるというより、歯ぐきをグイグイ押されるような鈍い痛みが走りました。

麻酔が効いてきたら、いよいよ抜歯のフェーズ。ドクターが手元に取り出したのはペンチ。歯をガッチリホールドし、釘を抜くように前後に揺らして抜きにかかります

この時、幸いにも痛みは無く、グイグイされること1,2分ほどであっという間に抜けてしまいました。抜いた後も特に痛みはなく、残ったのは今まであったものがポッカリ無くなってしまった、という喪失感だけです。

これで処置は終了。2本の抜歯にかかった時間は約45分。今回はドクターの腕が良かったのか、麻酔注射の瞬間以外は施術後も何の痛みもなく終えることができました。

それにしても、一生使い続けるはずだった歯でも案外簡単に抜けてしまうんだな、と改めて実感すると、私の心には少しだけナイーブな気持ちだけが残りました

4~5か月目

病院通いは3週間に1度へ

今までは週に1回のペースで通い続けていました。3か月を過ぎたあたりからブラケットが外れなくなり、当初の計画の通り3週に1回の通院で済むようになりました

通院を重ねるほど改善が見られるので、次の施術が待ちきれなくなります。

1つ不安だったこととして、右の奥歯から神経に作用しているような痛さを感じることが、2~3か月目にありました。

食事のとき、歯を磨くときなど、何をするにしても「ピリッ」とまた、「スーッ」とするような、虫歯のときに感じる痛みが謎に出現していました。

当時、この痛みがいつまで続くのか不安でしたが、4か月目に入り、全く感じなくなりました。

どうやら、歯が動こうしている時に発生する一時的なものだったようです。虫歯では?と疑いかけましたが、無事に痛みが消えて一安心でした。

エキスパンダーを導入

先月の抜歯に続き、ここでも新しい施術が導入!今回はエキスパンダーを装着します。

いわゆるマウスピースのような物です。歯列矯正というと、出っ歯を矯正するなど外から内に引っ込めるものを想定しがちですが、こちらは内から外側に広げるためのものです

私の下の歯は内側に向かって傾いているようで、それを外側に広げる必要があります。そのためには自分用に成型したものが必要。そのために追加料金がかかるという訳です。

料金は1,500ペソでした。このマウスピースは4~5か月目まで、毎日装着するようにという指示でした。

実際に装着してみると、特に「痛い・苦しい」ということはありません。ただ、やはり現れるのは違和感です。

加えて、下の歯に舌を当てることができないので、舌足らずな喋り方になってしまいます。なので、私は毎日なるべく付けるようにしたものの、プレゼンがある日は外して運用していました。

5~6か月目

いつもの日常へ…

矯正を始めてから新しいことに挑戦し続けた結果、6か月目を迎えた頃からは特に制約のない日々を送ることができています

もちろんワイヤーは着けたままですが、ブラケットが外れることは無く、歯に神経的な痛みを感じることもありません。

3週間に1回のアジャストメントによって、少しずつ調整を行っており、正しい歯列を定着させようとしている段階です。

嬉しいことに、前歯も少しずつ使えるようになってきました。初月では絶対に無理だったハンバーガーや棒アイスなども、今では食べられるようになりました

歯列の改善状況

実際にどの程度良くなったのかというのをお見せしたいところですが、あまり人目に届けられる写真が無いのでお伝えするのが非常に難しいです。

ですが、明らかな違いが見て取れる写真がありましたのでこちらを掲載します。人を選ぶ可能性があるので、問題ない方だけ見て頂ければと思います。

矯正前はデコボコしていた下の歯は、半年もたたないうちに明らかに綺麗な一列になりました。

あとは、歯ぐきに埋まったままだった犬歯。こちらも改善が見られ、他の歯と同じ高さまで降りてきています

これから目指していくのは、抜歯によって出来たスペースを均していくこと。そして、整ってきた歯列を維持していくことになります。

スポンサーリンク

まとめ

今回はフィリピン、バギオで歯列矯正を始めた私の近況をお伝えしました。毎月のように新しい挑戦があったので、話題には事欠きません。

振り返ってみると、最初の1,2か月はやり遂げられるか非常に不安でした。6か月経った今、もう怖いものは無く、ストレスを感じることもありません

とは言っても、毎日のお手入れなどは引き続き必要です。やはり、何もつけずに生活できる日が待ち遠しいです。

今後、大きな変化やイベント等は少なくなってくると思いますが、何か変わった経験ができたらお伝えしていこうと思います。

それでは、また!