あなたの知らない意外なフィリピン情報ということで、今回が第3弾となります。長く滞在していると、先生との関係性も構築されて色々な情報を聞く機会が増えてきました。今回はその中でも、離婚事情と教育機関について、ローカルでディープな話題をお届けします!
中高4年制だったフィリピン
国が変われば法律も教育制度も変わります。現在、フィリピンの教育課程は、小学校6年・中学4年・高校2年、そして大学進学と言う風になっています。中高の年数だけ日本と違いますが、高校卒業までの年数自体は日本同じ12年間です。
しかし、以前はこの「高校2年分」の教育課程が無く、10年間だった時がありました。その時は、16歳にして大学進学か就職かを迫られていたとのことです。このシステムが変わったのは2012年で、実は10年くらいしか経っていません。なので、現在20代のローカルの人々はもろに影響を受けています。
教育課程延長の影響
丁度、このボーダーに当たる世代については自分たちが4年制で卒業した一方、1個下の後輩たちはもう2年間追加で高校にて勉強をするわけです。どんな感じになるのかイメージできないですよね。私はゆとり世代につき、小学校の途中で土曜が全休になるという経験をしましたが、スケールが違い過ぎます。
そうなると、制度移行後の初年度と2年目は、大学1,2年生の全くいない空白の世代が発生します。なので、この間特別措置が取られ、大学をなんらかの事情で辞めた人や主婦・主夫、学び直したい人を受け入れたそうです。
大人になった今感じるのは、現場は苦労しただろうなぁということです。教育機関においては、プログラムはもちろん学校のキャパシティなど工面しなければならないし、各企業においても採用スケジュールなど見直さなければなりません。そういった困難を乗り越えて今のフィリピンがあるとのことです。
フィリピンの離婚事情
センシティブな内容ですが、日本との違いに驚かされたのがフィリピンの離婚事情です。
まず「Divorce:離婚」について、これは私も日本で習った単語なので意味は分かります。一方で「Annulment」、こちらは正式な婚姻の破棄を意味します。これらが婚姻関係の解消になるわけですが、フィリピンでは両者の合意だけで、これらの手続きは出来ません。
「Divorce:離婚」には多額のお金が必要で、20~30万ペソ(約52~78万円)必要と言われています。これは慰謝料や養育費といった話ではなく、手続きのみにかかるお金です。つづいて、「Annulment:婚姻の解消」について、こちらは然るべき理由必要で、「adusive:虐待行動」などでの問題が条件となります。
日本のように両者の合意での離婚が出来ず多額の費用がかかるフィリピン、それでいて一般的な月給が5万ペソくらいです。では人々はどうするか。婚姻関係を保持したまま別れ、新しい出会いの際には届け出を出さず内縁での関係を構築するそうです。
Fraternityの実態
続いての話題は「Fraternity」について、意味自体を調べたところ、「友愛」や「共同団体」という言葉が出てきますが、今回話題として挙がったのは「社交クラブ」の意味としてです。
兄弟の間柄、兄弟のよしみ、友愛、同胞愛、協同団体、(特に)宗教団体、友愛会、共済組合、(大学などの)男子学生社交クラブ、同業者仲間
https://ejje.weblio.jp/content/fraternity
「社交クラブ」について、日本ではあまりなじみがないですが、海外では強い繋がりのあるコミュニティを指して言われることがあります。メンバー同士で「Hey Bro.(Hey, Brother.)」と挨拶が交わされますが、これは兄弟くらい強い繋がりがあるというところからですね。
バギオにもこういった組織があり、いくつかある大学の中でフィリピン大学(通称:UP)にも現存しているとのことです。メンバー同士、困ったことがあった時にその強い絆で、どうにかして問題を解決しようとするコミュニティになっています。
何が問題なのかというと「Hazing:しごき」が常軌を逸していることがあります。入部の時など独特の風習で、新メンバーを迎え入れることがあるそうで、裸にしてビシビシ叩くとの噂があります。本当のところは明るみにはなっていません。ただ、その疑いでの死亡事故も起こっているようです。
Criminology student dies in suspected hazing
https://www.rappler.com/nation/metro-manila/criminology-student-ahldryn-bravante-suspected-hazing-october-2023/
そういった過激な歓迎を乗り越えてこその仲間意識なんだろうということでしょうか、我々の感覚としてはにわかに信じがたいですよね。もちろんすべての組織が良くないことを行っているとはも思っていませんが、そういうイメージもあるようです。
まとめ
今回は知られざるフィリピンの内部事情の第2弾目をお伝えしました。前述のとおり、これらの内容は先生からの情報で、詳しい情報の裏付けや確認を行っていませんので、間違いがあるかもしれませんがご了承ください。
日本ではこれらの情報は前のめりに収集しようとしなければ、入ってこないと思います。パンデミックの時に、ドゥテルテ前大統領のエキセントリックな政策なんかはニュースでも見たような気がしますが、他のことについては滅多に報道されませんからね。異文化を知ることもまた留学の楽しみです、また興味深い話があったら報告します、それでは!