海外に長期滞在する際、パスポートと運転免許証は期限切れにならないように注意が必要です。
しかし、こんな疑問が浮かびます。

あれ?パスポートと免許の更新に住民票って必要なんだっけ…?
今回、滞在先のフィリピンから一時帰国して実施した手続きをご紹介。
果たして、海外転出届を出して住民票が無い私でも大丈夫だったのか…?その一部始終をお伝えします!
パスポートと免許証の期限が迫る
ここ1年、バギオの語学学校に滞在中の私。
そんな中、パスポートと免許証の有効期限が迫っていました。
🚫パスポート(2025年夏に失効)
🚫運転免許証(2025年秋に失効)
当初、パスポートはフィリピン国内で更新するつもりでした。2025年現在、海外在住者もオンライン上でパスポート更新申請ができるようになっています。
事前に申請しておけば、マニラの日本大使館に受け取りに行くだけで手続きが完了します。

引用:在フィリピン日本国大使館(https://www.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html)
👨「大使館は休日閉まっているし、平日休みをもらって行こう」というのが当初の計画。
ところがある日、学校のビザ担当者からこのような話を聞かされます。

フィリピンでの更新となると面倒になりそう、日本でやった方がいいよ。

「いやー、多分大丈夫ですよ。」
(えー、お金かかるじゃん…)
と、説得してマニラで済ませたかったのが本音。
しかし、語学学校のスタッフというポジションはビザ的にグレーな立場。結局、観念して2週間の休みをもらい一時帰国することになりました。
パスポート 更新
ここから舞台は日本に移ります。
パスポートを更新するにあたって、まずは市役所に行って住民票を戻すことにしました。
出国前、私は海外転出届を出し、マイナンバーカードも返却していたのです。
海外転出届に関しての記事はこちらからどうぞ。
当時の市役所でのやり取りは下記のとおり。

転入届を出しにきました

スタッフ
市外からの転入ですか?

海外です、海外転出届を出してます
パスポートの更新後、また出る予定です

スタッフ
パスポート更新の場合、住民票無しでも大丈夫ですよ

な、なんだってー!!
パスポートの更新に住民票は必要ありませんでした。どうやら一時帰国者という扱いにすることで、特別対応が受けられるようです。
必要書類
一時帰国扱いで申請する際に必要となるのは「滞在証明書」、いわゆるビザです。
勤労ビザ(ワーキングビザ)や永住許可があれば話が早いことでしょう。
しかし私の場合、1か月の観光ビザを更新し続けている状況です。よって、今回はビザによる滞在の証明はできませんでした。

次に候補となるのが、「戸籍謄本」。
戸籍の住所が市役所の管轄である場合、住民票が無くても用意してもらえます。

手数料は300円。今回、私はこの方法で申請することにしました。
申請手続き
必要書類がそろったら申請手続きに移ります。
まず記入するのは「一般旅券発給申請書」。こちらは通常のパスポート申請に必要な書類です。

続いて、「居所申請申出書」。こちらは一時帰国のような特別な事情がある場合に提出する書式となります。特別な事情の適用となる対象者は下記のとおり。
- 一時帰国者
- 単身赴任または長期出張者及び季節労働者
- 学生又は生徒
- 船員

引用:東京都生活文化局(https://www.metro.tokyo.lg.jp/)
裏面には居所申請が必要な理由を記述する箇所があります。
私は市役所の方が提案してくれた通り、「現在所持している旅券の残存有効期間があと1か月なので、日本帰国中に旅券の切り替え申請をしたい」と記入しました。
写真
「一般旅券発給申請書」の提出時には証明写真の提出が必要となります。
用意する写真には細かい制約があるので、下記は順守しなければなりません。

引用:外務省 パスポート申請用写真の規格(令和7年3月3日更新)(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/ic_photo.html)
加えて、市役所の方がチェックしていたのは下記2点です。
- 頭頂部から顎先までの大きさ
- 瞳のフラッシュの反射
写真サイズに加えて、顔が占める割合も重要。また、瞳が白く光っているのもダメとのことでした。
担当の方曰く、出国時の自動化ゲートは瞳で本人確認を行っているようで、正しく認証できないとトラブルになるかもしれないとのことでした。

今回私が用意した写真も光が映りこんでいましたが、まぁ大丈夫だろうと受理してもらえました。ちなみに出国時のトラブルは特にありませんでした。
受け取り期間
注意すべきなのが、受け取りまでの期間。今回、私に与えられた帰国期間は2週間。そのうち、市役所の営業日は8日間ありました。
私が申請した今治市役所のホームページには下記記載があります。

引用:今治市ホームページ(https://www.city.imabari.ehime.jp/siminka/passport/)
ということで大丈夫だろうと思っていたのですが…。
受け取り日について

帰国日は〇〇(10日後)です

スタッフ
今申請すると受け取りは2週間後になります。ですが、県の方に早められないか確認してみますね。

スタッフ
ギリギリ間に合いそうです。8日後にまた来てください。
ホームページ上の記載で注目すべきだったのは、こちらの文言でした。

スタッフの方曰く、2025年4月頃より各都市での印刷・発行だったものが全国1か所に集約され、受け取りに時間がかかるとのこと。
事前にオンラインで申請しておくと、大した問題ではありません。しかし、窓口での申請となると通常2週間ほどかかるので注意が必要です。
パスポート受け取り
申請から8日後、準備ができたと連絡がありました。ありがたいことに電話でお知らせまでしてくれました。
市役所に赴き、10年パスポート16,300円の手数料を支払って、無事に新しいパスポートを入手することが出来ました。

今回、市役所の方のファインプレーにより、下記恩恵を受けることができました。
- 住民票の転入不要
→1月分の国民保険料を支払わずに済んだ! - 受取日短縮(特別対応)
→予定通りフィリピンに戻って来られた!
実際、市役所での対応はめちゃくちゃ献身的で親身に対応してくれました。
フィリピンの雑な対応と比べると、まさに神対応と言って差し支えありません。

引用:今治市ホームページ(https://www.city.imabari.ehime.jp/)
今治市、良いところです。是非セカンドライフにいかがですか?
運転免許証 更新
続いては運転免許証の更新。予定では半年後に更新のお知らせハガキが届くことになっていました。
今回予定外に一時帰国したので、早いけどパスポートと合わせて更新しておくことに。
住民票は必要…?
ここで疑問。
Q.住民票が無くても免許証は更新できる?
A.可能でした!!
“運転免許証の住所=住民票の住所” の方が多く、勘違いしがちですが、住民票は必要ありません。よく考えたら市役所と警察署は別の管轄ですしね。
また運転免許センターか警察署にて、ハガキが来ていなくとも更新は可能とのことです。
必要な持ち物は2つ。パスポートと現在の免許証です。
申請手続き
今回、私は家の近くの警察署で手続きしました。受付にて👨「留学に行くため、早めに更新したい」と伝えると下記用紙が渡されます。

引用:警視庁ホームページ(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/koshin/koshin/koshin06.html)
注意すべきなのは、もともとの更新予定期間をまたいで留学日を書くこと。
つまり誕生日の前後1か月は国内に居ないと申告しなければなりません。
その後の手続きは通常の免許更新と同じ。視力検査・講習を受けたら完了です。
注意点
1点だけ、予定期間外に免許更新する場合の注意点があります。
それは有効期限が短縮されること。

優良運転者の場合、通常有効期限は5年間です。
私の場合、早めに更新を行ったため、有効期限は4年半となりました。
つまり、最初の有効期限1年目は取得時点で始まっており、次の誕生日には2年目扱いになるという訳なのです。
次回更新までの期間が短縮になるのは少し面倒…。しかし、免許更新のためだけに帰国する必要が無くなったと考えれば、ありがたい限りです。
まとめ
今回は一時帰国者がパスポートと運転免許証を更新する際の手続きについて、実体験をお伝えしました。
改めてになりますが、どちらの申請にも住民票の取得は不要でした。

ただし、パスポートは戸籍のある地域で、免許証は登録した地域で実施する必要がありそうです。
また、パスポートは受け取りまで少し時間がかかることを念頭に申請するようにしましょう。
それにしても、日本の公務員の対応は素晴らしいですね。改めて日本のホスピタリティの高さを感じることとなりました。
今回の記事がどなたかの助けになれば幸いです、それではまた次回!