自然に囲まれたバギオ。
留学生なら平日は勉強するとして、休日はどんなことが出来るでしょうか…?

そりゃ山があるんだから、
山登り・ハイキングでしょ!
今までほぼ登山などしたことない初心者の私も、バギオに来てからいくつか山を登ってきました。
そして先日、遂に1泊2日で臨むような本格的な夜間登山に挑戦!その山の名はMt.Pulag(プログ山)。本記事では、大変だった旅の全容についてお伝えしていこうと思います!

Mt.Pulag(プログ山)とは
Mt..Pulag(プログ山)はフィリピンで3番目に標高の高い山です。
山頂の標高は2,926m。
富士山の頂上が3,776m、また普段滞在しているバギオ市内の標高が1,500m前後ということを考えるとかなりの高さです。
加えて、高山病を発症する可能性があるのが2,500mと言われているので、十分な備えが必要なのは間違いありません。

Mt.Pulagはバギオから見て東側のKabuyanというエリアに位置しています。
入山前の拠点となるエリアまでは、平面距離で60km弱、車で2時間ほど。当然道中は山道となりますので、酔いやすい人は注意が必要です。
また、標高が高いということで気温もかなり低くなります。私たちが訪れた2023年12月時点での天気予報は下記です。
Mt.Pulag山頂付近の天気

私たちが行ったとき、最低気温・最高気温ともに10~11度の予想でした。
加えて、山頂付近は強風が吹き荒れており、体感気温はさらに低くなります。
入山手続き
Mt.Pulagは、行ってすぐに入山が出来るという訳ではありません。
入山前と下山後どちらも登録手続きが必要です。
入山前には、入山登録とオリエンテーションの受講、メディカルチェックが必須。
健康診断は現地で受けることもできますし、事前に用意したものでもOKです。
また、下山後も、無事に帰ってきたという証明のためにサインが必要です。

現地で健康診断を受ける場合、写真のような施設で受診します。
実施するのは、血圧の測定、英語の問診のみ。ほんの10分ほどで終了します。
問診では、持病や喘息の有無について聞かれますので、伝えたいことがある場合は言い方の練習をしておきましょう。

健康診断が終了して、診断書(Medical Certificate)が発行されたら、レクリエーションを受講します。登山の際の注意事項や大雨の際の避難場所、天候についての説明があります。
全て英語での説明となりますが、ツアーガイドが付いているはずなので、全て理解できなくても大丈夫です。英語リスニングの良い力試しと考えましょう。

レクリエーションは、口頭の説明とビデオでの説明の2種類があり、どちらも受講が必須です。
また、当日の参加者の割合として、9割は現地のフィリピン人でした。
他に、日本人や韓国人が団体で来ていて、1割くらいを占めている感じ。


申し込み方法
手続き関係は、入山登録・健康診断・オリエンテーションで完了。
個人で手配も可能ですが、現地のパッケージツアーに申し込み、ツアー代表に全て実施してもらうのがオススメです。Facebook上にはいくつかのツアー会社があります。検索ウィンドウに、
と、検索するといくつかツアー会社が見つかります。
ツアー会社のFacebookページ例

私たちが利用したのはコチラのコンダクター。
結構な頻度でツアーが催行されており、1人参加でも申し込めるので融通が聞きやすいです。基本的に、大勢での参加による割引は存在せず定額となるので、団体で参加するメリットは薄くなります。
パッケージプランの一例
ツアー会社によっては、いくつかのパッケージプランが提示されます。
下記、Aのプランは3,000ペソ。ただし、自前でテントを持ち込む必要があります。
Bのプランは3400ペソ。山小屋で就寝でき、コーヒーとご飯が食べ飲み放題のプランです。

私たちはBのプランで申し込みました。
ただ、上記はフィリピン人用価格だったようで、最終的な支払いは外国人料金が上乗せされ、4000ペソ(約10,400円)となりました。
1泊2日:交通費・宿・ガイド・朝昼晩ご飯1食ずつ付きであることを考えると、まあまあ妥当な金額と言えるでしょう。
持ち物と滞在先
ツアー会社から提示された必要な持ち物は下記の通りでした。
推奨持ち物一覧

フィリピンでジャケット?ニット帽?と思うかもしれませんが、気温を考えると必須。
また、今回は1泊2日の日程でホームステイを選んだので、寝袋やテントの持参しませんでした。

ステイ先の山小屋は写真のような感じ。
ドミトリータイプの寝室と簡単なキッチンがあります。
既に標高が2200mほどあり、夜間の気温はおよそ10度まで冷え込みます。

日本の真冬ほど寒くありませんが、さすがに厚着が必要です。
共有スペースには、火をくべて温まれるたき火ピットがあります。
トイレは簡易的ですが水洗でした。

シャワーもあり、温水が出るには出るらしいのですが、下手をすると風邪を引く可能性があるので、今回シャワーは見送りました。

一緒に参加していた登山熟練者の方曰く、施設面は日本の山小屋よりも充実しているとのことでした。確かに、少し過ごす分には何も困ることは無かったように思います。
登山スケジュール
Mt.Pulagには4つのルートがありますが、今回は一番簡単なルートを選択。
山頂から日の出を見ることが目的なので、夜間に出発し、日の出前の早朝6時には山頂に到着するスケジュールで向かいます。
スケジュールの例(1日目)

上記が1日目のスケジュールになります。
1日目は山登りを実施せず、標高に体を慣らさせます。
ステイエリアで、既にバギオよりも700mほど標高が高いので、ここで時間を取ることが大事なようです。当時、標高差による息苦しさ等は感じませんでしたが、ジャケットが必要なほど寒かったのはよく覚えています。
スケジュールの例(2日目)

2日目のスケジュールです。出発が深夜1:30、山頂到着予定が5:00となっています。
道中には明かりが全くないので、ヘッドライトや懐中電灯が必須。帰りは明るくなっているはずなので、片道5時間持続するくらいのライトは必ず持っていきましょう。

初心者にとっては過酷な計8時間の登山となりますが、それ以前に体調の管理が非常に難しいです。
というのもスケジュールを見てわかる通り、1日目が早朝5時集合、その後バンで曲がりくねった山道をで2時間、着いたら寒さに体を慣らしながら21時には就寝、25時に起床とかなりハードです。

また、4時間のコースで休憩兼トイレスポットは2か所しかありません。それ以外は幅1mもない狭い山道になります。
また、登山コースに売店の様なものは一切ありません。必要なものは全て用意して持っていく必要があります。

防寒具の物足りなさや食料の不足を感じたら、出発前であれば、山のふもとのステイ先では色々と買い揃えることが出来ます。
ですので、もしもの時でも大丈夫です。価格もそれほど高くありません。


1日目午後からのフリータイム
ホームステイ先に到着してから日が暮れるまではしばらく自由時間があります。
近くには天然温泉やつり橋があり、そこに行くオプションもありますが、翌日に備えてゆっくりしていた方が良いでしょう。


といいますか、滞在先の景色が既に絶景で感動ものです。
辺りを見渡すと既にとんでもなく綺麗な山脈を見ることが出来ます。


この辺りは、山肌に沿った農業が盛んなようであちらこちらで綺麗に整備された畑を見ることが出来ます。
なかなかバギオでは見られない風景で、私自身この辺りを散歩しているだけでかなり満足感がありました。


夕暮れ時のサンセットも綺麗。
1時間ほどかけて日が暮れる様子をぼんやりと眺めるのも、滅多にできない経験になるはずです。
そんなこんなであっという間に夕食の時間になります。

1日目の夕食、2日目の朝食、昼食は、コンダクターの方がキッチンで作ってくれます。
夕食は写真の「ご飯とシニガン」朝食は「春雨のようなヌードルとゆで卵」、昼食は「パンシットと鶏のアドボ」でした。
けっして豪華ではないですが、しっかり栄養のついて温まるものを提供してくれます。
Mt.Pulagは初心者には厳しい…!
この、夕食時までは本当に楽しく過ごしていました。
運よく天気も良い感じで、後は登って降りてくるだけと意気込んでいた私ですが、心が折れかけた出来事が発生しました。
次回、登山の全容とMt.Pulagを初心者にはオススメしない理由をお伝えします!